2014年1月31日金曜日

枯れた技術の水平思考

枯れた技術の水平思考という言葉があります。
最先端のものではなく、すでに広く使われて枯れてきた技術の今まで無かった使い道を考えるということ。
例としては「電卓」の技術を使って「ゲームウォッチ」を生み出したという事例が挙げられます。
この言葉は「ゲームウォッチ」「ゲームボーイ」などの開発に携わった横井軍平氏のものです。

私も含めて技術者はつい最新の技術に目が行きがちになります。
新しい技術は事例や文献が少なく習得にコストがかかったり、適用例が少なく思っても見なかった不具合に悩まされたりすることがあります。
その点、枯れた技術は最適な習得方法が確立されていたり、様々なトラブルとその回避法も出尽くしていて少ないコストで安全に使用することができます。
だからといって新しい技術を否定してばかりでは時代に取り残されてしまいます。
この辺りはバランスなのだと思います。

私たち個人開発者は色々なコストをあまりかけることができません。
その技術を使うことにどれだけのコストがかかるのか、それだけのコストをかける必要性があるのか、他の技術を使うことによってコストを下げられないかと常に考える必要がありますね。

ユーザーからすれば最新の技術のモノが欲しいのではなく、使って便利なモノ、遊んで楽しいモノが欲しいわけですから。

2014年1月30日木曜日

ゲームの難易度を分析すべし

ゲームを作っていて、一番悩ましいと感じるのが難易度調整です。
簡単すぎたらゲームにならないし、難しすぎたら途中でやめてしまいます。
その辺りを上手く調整するためにテストプレイをして試行錯誤するのですが、それでも「これでいい」という確信はなかなか持てません。
テストプレイを重ねる内にそのゲームに慣れてしまい一般の感覚とは違ってきてしまうので、自分では簡単だと思っても実は難しかったということになりがちです。

そういったことはアプリをリリースしてから判明するのですが、なかなかユーザーからの意見をもらうことは難しいので、最初からそれを分析できる手段を入れておくことをオススメします。

私の場合はGoogleアナリティクスでそれができるようにしています。
ステージをプレイした回数とステージをクリアーした回数のデータを取得しているので、「この面はプレイした回数の割にクリアーした回数が少ないので要調整」といった具合に分析できるので、それを基にアップデートで改善するといったやり方ができます。

そのようにして改善していくためにも、データの収集をできるようにしておくことをオススメします。

2014年1月29日水曜日

一発ネタのアプリは儲からない

パッと見で面白そうだったけど、一回やってみたらもう十分。
そんなアプリをダウンロードしたことありますか?
そういうアプリは結構ダウンロードが稼げると思いますが、実はあまり儲からないのです。

私は今のところ2本のアプリをリリースしました。
1本目はとりあえず出したネタ系のカジュアルゲーム。
2本目はちゃんと作った知育系パズルゲーム。
今のところダウンロード数では1本目のネタ系アプリの方が若干上回っています。
でも、広告の収益では4倍位以上2本目の知育系アプリの方が儲かってます。

それはダウンロード数では少ない2本目の方が広告の表示回数が圧倒的に多いからです。
ダウンロードが少ないのに広告を見る回数が多いということは何度もアプリで遊んでくれているということ。
つまり、ダウンロードが稼げそうなアプリを作るよりは面白いアプリを作った方が儲かるという訳です。

当たり前といえば当たり前の結論なのですが、アプリを開発しているとどうしてもダウンロード数を稼ぐことに目が行きがちになってしまいます。
基本に立ち返って何度も遊んでもらえる、使ってもらえるアプリを目指すことがやはり大事でそれが後々に収益に繋がる物だと思います。

2014年1月28日火曜日

iOSゲームはフレームワークを使おう

私は現在、iOSアプリでゲームを数本開発していますが、今のところcocos2dというゲームフレームワークを使用しています。

iOS標準でもゲームは作れるのですが、アニメーション機能に次のような特性があったのでゲームには不向きと判断しました。

iOSのアニメーションは画像を「5秒かけて100px右に移動」という命令をするのですが、命令を受けたのと同時に画像の座標は直ぐに100px右の物に書き変わってしまい、アニメーションの見た目だけが5秒かけて後追いするというものでした。
また、アニメーション中にポーズをかけても、再開後は必ずアニメーション終了時のポジションになってしまうなどの問題もあります。

以上のような問題はcocos2dでは無かったので使用することにしたのですが、そちらも標準のUIを簡単には使えないし使いづらいという別の問題があるのですが。
そのデメリットを踏まえてもゲーム自体はフレームワークを使用した方が断然作りやすいのでオススメします。

iOS標準でゲームを作るには色々と問題があると覚えておいた方が良いですね。
iOS7からSprite KitというApple純正のゲームフレームワークが出たので、Appleもゲームにはフレームワークが必要だと認めているみたいですので。

2014年1月27日月曜日

スマホは断片プレイが基本

RPGを久しぶりにプレイしようとセーブデータをロードしたら、ここはどこで何をしたら良いのか分からずに真っ白になった経験はありませんか?
なんとか思い出そうとしてその街の人に片っ端から話しかけて何となく状況が理解しかけたらもうゲームする時間が無くなったりして。
壮大なストーリーを売りにするゲームでもそれを常に覚えてなければ楽しめないゲームは今の忙しい人たちにはちょっと厳しいですよね。
反対にストーリーの無いパズドラが流行るのも至極当然なことなのかも知れません。

私も数ヶ月だけパズドラをプレイしたのですが、最初はストーリーが無くひたすら戦うだけのシステムに戸惑いを覚えました。
でも、モンスターを育てて段々強くなると何となく戦っているだけで楽しくなってきたのです。
さらに強いモンスターを求めてまた戦うといった感じで気がつくとハマっていました。
ストーリーが無くても楽しめる、ふとこの感じは昔のウィザードリィと似ているなと思い中毒性に納得しました。

ストーリーが無いことでいつでも直にプレイを再開できて、戦闘だけなので一回のプレイ時間は短く済み、それでいてまたやりたくなるというループ。
なるほどスマホで売れるゲームというのは上手くスマホで楽しめるように最適化されているので皆が長く遊んでくれるのでしょう。

ゲームにはクリアがありエンディングがあってほしいと思ってしまう私の個人的な思いはもう時代遅れなのかも知れませんね。

2014年1月24日金曜日

スマホで十字キー操作は無理

みなさん、ドラクエの無料配布GETしましたか?
私も無料につられてダウンロードしたのですが、やってすぐに「これは駄目だ」と思いました。
それは仮想十字キーでは操作が苦痛で仕方が無いからです。
あまりの操作性の悪さに最初の王様のいる部屋を出るだけでもイライラして一苦労、すっかりやる気がなくなってしまいました。

私もスマホでゲームを作ろうと考えたときに一番気にしたのはどのように操作するかという点でした。
ゲームというとファミコン的な十字キー+いくつかのボタンというのが当たり前すぎてそれを前提に考えがちですが、ドラクエの例にもあるようにスマホではそれが通用しません。
次に考えつくのがキャラをドラッグして操作するという方法ですが、これも自分の指で画面が見えなくなるという大きな欠点があります。
このことからゲームの定番ともいえるシューティングやアクションゲームが従来の方法論が通用しません。

スマホでゲームを作るのならば、まずは操作方法を最初に考えるべきであると個人的には思います。

2014年1月23日木曜日

絵が描けなくともツールは使いこなせ

ゲームの開発をしているとどうしても絵が必要となります。
人は見た目が9割などという本がありますが、ゲームにおける絵もそれと同じです。
しかし、私も含めてプログラマーという人種はこれが苦手です。

直近、パズルゲームを作っていたのですが、そのままでは見た目が非常に地味になってしまうので、キャッチーな要素を加えるべくマスコットキャラを作ろうと考えました。
漫画などを参考にデフォルメな絵ならば私でも描けると思ったのですが・・・全然だめでした。
そこで、フリーの素材を使用することにしたのですが簡単にはいきませんでした。

一番の問題はそのまま使える素材が少ないということです。
もう少しサイズが大きければ…、もうちょっと色が明るければ…というモノが多く、探すのに工数がかかってしまいます。
それらの素材を加工しようにもPhotoshopやIllustratorは色々な意味で敷居が高いしなあと思っていたところ、それらの代わりとなるフリーソフトがあることが分かりました。
それが「Gimp」と「Inkscape」です。

使ってみると、その手のソフトになじみの無いプログラマーは色々と大変ですが、所詮はツールなので使っているうちに慣れてきます。
少なくとも絵が上手くなるのよりは断然早く使いこなすことができるはずです。

絵のセンスを磨くよりもツールを使いこなす技術を磨く方が楽ですよね。
プログラマーは技術者ですから。

2014年1月22日水曜日

半分以上は縦長iPhone

iPhone5を初めて見たときは衝撃的でした。
頑に変えなかったディスプレイの大きさを縦に長くしてしまったのですから。
アプリを作る人は画面の縦横比が変わって大変だなあと開発者目線で感じつつも、完全に人ごとだったのですが・・・今はやはり大変だと実感しています。

最初にアプリを作ったときは従来の3.5インチで画面を作り込み、縦長の4インチでの表示は上下をカットするやり方でお茶を濁していました。
まだまだメインは3.5インチの方で縦長はおいおい対応すれば良いかなあと考えていたからです。
でも、Googleアナリティクスの情報からはむしろ縦長ユーザーの方が既に多いことが判明しました。
このことから上下カットだと半分くらいのユーザーに「だせぇ」と思われてしまうので、どちらの画面でもちゃんと見えるように対応するべきですね。

ちなみにiPhone3GS以前の非Retinaディスプレイですが、もう2%程度のユーザーしかいませんでした。
こちらに関してはもう気にする必要は無いレベルですね。
最も非Retina対応をしないでAppleの審査に通るのかは分かりませんが。


2014年1月21日火曜日

ゲームの三大要素

あるブログにゲームの三大要素は次の物だと書かれていました。

  1. システム
  2. フレーバー
  3. ボリューム
「1.システム」はゲームの根幹の部分になります。
自機を操り、弾を撃って敵を倒すなどのルールに関する要素や、もっと根幹的なボタンをタップでウインドウが開くなどのいわゆるシステムもここに含みます。

「2.フレーバー」は無くても成立するがそれによって魅力が増すものです。
シューティングだと自機や敵を障害物をただの四角で表現してもゲームとしては成り立ちますが、やはり戦闘機やエイリアン、リアルな風景などを使用した方が面白そうなゲームに見えます。サウンドなどもこの要素に入りますね。

「3.ボリューム」は文字通り量です。
99面まである、レベル最高9999、モンスターの種類が99999匹などの長く遊べるための要素ですね。

私は元々Web系システム開発をやってきたので、ゲーム系についてはノウハウが無いに等しいのですが、この考え方はとても分かりやすかったのでよく使っています。

プログラマーはえてして「システム」にこだわりがちですが、この部分に関しては実はゲームの魅力には直接関係なかったりします。
最新の技術を盛り込んでも、昔の枯れた技術でも同じ動作をするならばユーザーからすればどちらも同じなので、ぶっちゃけ使い回しでも全然かまわないと思います。
それならば「フレーバー」の方に力を入れるべきなのですが、こちらは何が正解なのかが分からないのが難しいところ。
ボリュームはたくさん面を作るなど単純に作業量と比例してしまうので、このあたりは自動生成ロジックなどを上手く考えるのが良いのかなあと考えています。

いまのところはゲームのアプリを開発している方は、この考え方を頭の片隅にでも置いておくことをオススメします。

2014年1月20日月曜日

Game Centerの利用率は5割以下

iOSアプリはGame Centerという仕組みでハイスコアを共有したり、達成項目の管理(いわゆるトロフィー機能)などができます。
この機能はGame Centerでアカウントを作らないとならないので案外使用されていないように感じます。私も自分で開発を始めるまではアカウントを作ってなかったですし。
公開したアプリのデータを見てみるとやはりその通りでした。

1作目で45%、2作目で35%のユーザーしかGame Center機能を使用していません。

1作目はアクションゲームのカテゴリー、2作目は教育のカテゴリーのアプリなので、ゲームをする人の方が利用率は高そうですが、それでも半分以下です。

このようなデータから、Game Center機能は無理して実装するほどのものでは無いと感じています。
実装には案外手間が掛かり、テストも面倒です。さらにアプリのアップデート時にも必ず修正しなければいけなかったり、iOS7でしか発生しない不具合なんてモノもあったりしました。
そこまでのコストをかけて得られるリターンはあまり大きくないとならば思い切って実装を見送るのもありかと思います。

シューティングゲームなどハイスコアがゲームの重要な要素になるモノを除けば、無理にGame Center機能をつける必要はないと個人的には思います。
パズドラにもついてましたけど、はっきり言ってあれはいらないですよねえ。

2014年1月17日金曜日

Googleアナリティクスのススメ

iOSアプリのダウンロード数はAppleのサイトで確認することができます。
でも、国別の数字が分かるくらいであまり詳しいデータを見ることはできません。
そこで私はアクセス解析にGoogleアナリティクスを使っています。


標準で新規ユーザー/リピーターの比率や端末の解像度、iOSのバージョンなどが確認できます。一つ前の投稿の「7割がiOS7」なんてデータもGoogleアナリティクスのものです。

リアルタイムでアクセス数を見ることも可能で、「お、今3人が自分のアプリで遊んでる」なんてことが分かるので、眺めているだけで開発のモチベーションがあがってきたりしますよ。

また、自分でデータを取得するイベントを決められるので、ステージクリアーしたらその面数を記録するなんてこともできます。
それを解析することで、「ステージ4のクリアー数は多いのにステージ5は少ない、これは5面の難易度が高すぎたかなあ」などと考察できて、「よし、次のアップデートで5面の難易度を少し落とそう」とアプリの改善にも役にたちます。

アプリに組み込むのは比較的簡単でかなり役に立つのでオススメです。

2014年1月16日木曜日

7割はiOS7

iOS7がリリースされて4ヶ月あまり経ちました。
フラットデザインの不評や様々な不具合などを耳にしていたので、私はアップデートを見送っていたのですが世間はどうやら違うようです。

報道等でほとんどのユーザーはiOS7に移行したと聞いてはいたのですが、正直半信半疑でした。
でも、自分のアプリのユーザーデーターを見るとそれが本当だということが分かりました。


ユーザーの7割はiOS7という結果でした。
この数字からすると、アプリをiOS7に対応させるというよりは、iOS7向けに作って他のバージョンにも対応させるという方針で行くべきでしょう。
iOS6以下で問題が発生する場合は切り捨てて、iOS7以上対応アプリにしてしまってもいいかも知れません。
開発者としては新しいOSに次々対応していかなければならないので頭の痛いところでありますなあ。

2014年1月15日水曜日

広告はよくて1クリック10円

私のアプリは今のところダウンロード無料で広告をつけています。
2本目はアプリ内課金を入れたいわゆるフリーミアムにしてみたのですが、まあそれは置いておいて今回は広告のお話です。

スマホアプリで収益を上げるにはいくつか方法があると思うのですが、私が考えつくのは

  1. 広告
  2. 有料アプリ
  3. アプリ内課金
この3つとなります。

もっとも手っ取り早いのは「2.有料」だと思うのですが、私ごときの作るアプリがそうそう売れるとも思いませんので、最初は無料アプリの広告付きを出して試してみました。
こういう試みができるのでやはり最初のアプリはとりあえず出してみるのが良いですね。

広告も色々あるのですが、調べた結果「AdMobのメディエーション」で複数の広告を切り替えて表示できるのでそれを採用、「nend」「AdMob」「iAd」の3つを出すことにしました。
なぜこの3つなのかというと、「nend」が一番収益性が良いらしいがほぼ国内のみでしかつかえない。なので海外用に「AdMob」と「iAd」これは比較的簡単に実装できるのでこの2つということです。

その広告収入はというとやはりnendが一番収益性が高くて1クリック8〜9円程度、AdMobで3円弱、iAdはそもそも表示回数が少なくて収益無しという結果になりました。
つまり、広告はよくて1クリック10円と考えておけば分かりやすいかと思います。

2014年1月14日火曜日

App Storeの開発者名は慎重に

App Storeに表示される開発者名は慎重につけた方が良いです。
私はWebの画面から簡単に変えられると思い、深く考えずに個人名をつけてしまったのですがどうやら簡単には変えられないようです。
個人の場合は個人名をつけなければならず違っていたらAppleに変えられてしまうという話もあります。
何れにしても開発者名は簡単には変更できないということを覚えておいた方が良いです。
私も登録する前に知りたかった…



勝負は2本目から

最初の投稿で紹介したアプリは実は2本目だったりします。
1本目のアプリはとりあえずリリースするのが目的で、半分捨て駒のような感覚でした。
何をやるにも最初はだいたい失敗するので、はじめから勝負をかけたモノを出すのはリスクがあると考えたからです。
また、色々と試してみたいことがあっても大事な商品では難しかったりしますが、そういったことを代わりにできるモノがあった方が便利でしょう。

サザンオールスターズはデビュー前からかなりの楽曲をストックしていて、「いとしのエリー」が勝負曲だったけどあえて2曲目にしたという話を聞いたことがあります。
そういえばミュージシャンは大体デビュー曲よりも2曲目の方がいいモノを出していて、そっちの方が売れているイメージがあります。
他の業界の話ですがやはり最初は色々とリスクがあるので、次から勝負というのが良いみたいですね。


iPhoneアプリ「えいたんご」をリリース

iPhoneアプリ「えいたんご」をリリースしました。
http://itunes.apple.com/jp/app/pons-english-word/id770302074

 

というわけで、私は現在スマホアプリ開発を個人で行っております。
アプリで飯を食うを目標に試行錯誤していく様をこのブログに綴っていこうと思います。
どうぞよろしくお願いします。